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いつまでも元気だと思いたい親のふとした拍子に垣間見る老化。
少しずつADL(日常生活動作)が低下したと感じ、なんとかしたいと思っていませんか?
そして、できればこのまま介護などに縁なく過ごしてほしいと思いますよね。はたして、ADL低下を食い止めることは可能なのでしょうか?
結論からいうと、ADL低下の予防は可能です。
ADLは介護をするうえでの基本概念でもありますが、最近では、このADLを細分化した「IADL(アイエーディーエル)」や生活の質「QOL(キューオーエル)」が注目され、その維持や向上が重要視されています。
そこで、この記事では、ADL低下をさせないために
についてまとめて紹介します。
この記事を読んでいただければ、ADL維持・低下の予防について簡単にわかり、今日からすぐに役立てていただけると思います。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士などの専門家にご相談ください。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
まずは、「IADL」について簡単にまとめたいと思います。
「IADL」は「Instrumental Activities of Daily Living」の略で、日本語では「手段的日常生活動作」と言われます。
ADLの「日常生活動作」に“手段的な”動作や活動が加わったもので、より頭を使って判断したり、記憶力や運動が必要な動作となります。
次に、ADLとIADLの違いについて、ADLの評価として使用される項目で見てみます。
どれも毎日の生活の中であたりまえのように行っている習慣的な動作です。
これが”手段的“な動作「IADL」ではどうなるのか「食事」と「移動」を一例にあげてまとめてみます。
このようにADLを基本として、より高度な動作となるのがIADLとなります。
最近では、ADLよりも特にこのIADLが重要視され、その維持や予防についてさまざまな取り組みが行われています。
その理由としては、IADLの低下はADLに障害が起こる前段階のことだからです。
つまり、IADLの中でできなくなった動作があると、生活するための基本的な動作(ADL)の一つができなくなり、それに対しての介護が必要になってくるという連鎖が起こってきます。
例えば、「食事」をとりあげてみると
これだけでも、ADLの「食べる」ことはできますが、その前段位階の食事の用意が自力ではできなくなります。
それにより、食事が面倒になり、食事回数が減るなどということが起こる可能性があります。
逆を言えば、IADLを維持できば、ADL低下を防ぎ、介護されない自立した生活を送ることができると言えます。
前章では、IADL維持の重要性についてふれましたが、IADL維持するために、まずは現状のレベルをチェックしておきましょう。
現状レベルを知ることで、身体機能の低下を早期に把握することが可能となり、低下の防止などに役立ちます。
IADL評価法は複数ありますが、ここでは、アメリカの倫理学者M.パウエル・ロートンらによって提唱された手段的日常生活活動の『Lawton(ロートン)の尺度』を用いてチェックしてみます。
8つの項目それぞれで最もあてはまるレベルを1ずつ選び、0の場合は0点、1の場合は1点で採点していきます。そして、その総点数が高いほど自立している(=介護が必要ない)ということになります。なお、③~⑤の3項目については、男性は除外となりますので、それぞれの総点数は、男性0~5点・女性0~8点での評価となります。
それでは、具体的に項目内容をみていきましょう。
それぞれ点数が0の項目は介護などのサポートが必要なものとしての指標となりますが、例えば、最近では男性でも家事を行う方や、反対に女性でも“できる”かもしれないが“やらない”または“やったことがない”という場合もあるかと思います。
また、その日の体調によってはできない事もありますし、ケガをすれば一時的にできないことあります。気づかないうちに悪化することや改善することもありますので、よく見極めながら、現状として何ができて何ができないのかの把握をするための一つの目安としてとらえてください。
チェック項目の点数が低いからといって必ず介護が必要になるとは限りませんが、できない箇所のみをサポートしたり、予防またはリハビリで改善させるためにサービスを利用するのもおすすめです。
具体的なサービスの一例としては
中には介護保険でうけられるサービスもありますので、
で、相談をしてみましょう。
また、現状のIADLレベルを維持するために、日常生活の中で低下を予防していくことが大切です。
具体的にどんなことをしていけばよいのか、次の章で見ていきましょう。
IADLが低下するとそれに対するADLができなくなり、介護が必要になることは前までの章で理解いただけたと思います。
では、なぜ、IADLが低下してしまうのでしょうか?
ここでは、IADL低下の原因とその予防対策についてまとめてみたいと思います。
IADLは老化や疾病が原因で低下することはありますが、一人では難しいことがあるからといって全て代わりに行ってしまうと、出来ていたことまであっという間に出来なくなってしまいます。何ができなくて何をすればできそうなのか、よく見極めながらサポートして介護しすぎないように注意しましょう。
脚の筋力が弱まると
そうした場合に、まだ脚に力は残っているにも関わらず
ということがあると思います。
これらを継続して行ってしまうと脚の筋力がさらに弱まるばかりでなく、他のことも全てできなくなってしまいます。
そうならないためにも、どの段階ならできるのか見極めサポートします。
例えば、
など、できることを行えるサポートをするのがポイントです。
洗濯をするためには、
などの動作が必要になってきます。
この動作を
など、分けてみていくと自立のサポートをすべき点が見えてきます。
例えば、
など、自分でできる範囲を増やすサポートをしていくことが大切です。
現状の生活の中でできることを増やしIADL維持をするために、生活環境を整えることもポイントです。
シルバーカーや杖などお出かけに便利な福祉用具を用意することで、買い物など積極的に外出したくなるようにしてあげるのも一手です。
歩行補助つえやスロープなど、介護保険でレンタルしたり購入できるものもありますので、ケアマネジャー(介護支援専門員)に相談してみしょう。
生活の基盤となる自宅は、開き扉から引き戸に変更する、トイレや浴室に手すりをつけるなどといったリフォームを行い自立した生活をしやすくします。
リフォームも介護保険制度の対象となるものがありますので、ケアマネジャー(介護支援専門員)に相談してみましょう。
リフォームについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
→「【簡単解説】失敗しない介護リフォームのポイント・費用・優遇制度まで」
ADLと密接な関係にあると言われる「QOL(キューオーエル)」という言葉をご存知でしょうか?
介護を行ううえで重要な意味を持ち、ADLとQOLのバランスがとても大切になります。そこで、ここではQOLとADLとの関係について簡単に解説したいと思います。
「QOL」という言葉をはじめて知ったという方もいると思いますので、簡単に説明すると「quality of life」の略で、日本語では「生活の質」と訳され、主観的幸福感を評価するときに使われます。
物質的に満たされた生活よりも、心身的に満たされた生活に焦点をあてた考えで、本人が何を“幸せ”とするかによって評価は変わってきます。
例えば、ADLが自立してできているとしても、日々の生活の満足度が低ければQOLは低いといえます。反対に身体機能が低く介護が必要だとしても、意思が尊重されイキイキした毎日を送れていればQOLは高くなります。
もちろん、ADLとQOLのどちらが劣ってもならず、バランスが大切ですが、このQOLが高いことで、毎日の生活を満足しながらイキイキと過ごせ、ADL維持や向上の一助にもなります。
今まで出来ていたことができなくなったり、身体を思うように動かせなくなったりと、老化を目の当たりにして一番ショックを受けるのは、介護される方本人です。
優しさのつもりで代わりにやってあげたことでも、介護される方の自信を無くさせてしまう場合があります。
あくまでも介護される方の気持ちを尊重し、できることは自力で行えるようなサポートを行うことが重要です。
例えば、「人の役にたつことに幸せを感じる」とします。
それが、脚が思うように動かせなくなったことから積極的な社会的活動ができなくなり、これまでのように”人の役に立てている“と実感できることができないと、ストレスになり、さらに生活意欲が低下してしまいます。
その場合にサポートすべきことは、
など、「人の役にたっている」と小さくとも実感できる状況をつくることです。
ただし、無理にやらせようとしたりするとストレスがかかってしまい、それがQOLの低下につながることもありますので、その日の体調にも配慮しながら、サポートしていきましょう。
基本的な生活に加え、趣味や他の方と関わることでの楽しさなども、QOL向上の一助となります。
など、自尊心が満たされるきっかけができるので、他の方とコミュニケーションを取れるよう、まずは無理のない範囲で様々な場所へと積極的に出かけてみるのもおすすめです。
例えば、
など、まずは心理的に満たされる簡単なことから始めてみるのがおすすめです。
また、
などの体験に行ってみることで、新しい趣味を見つけたり、仲間をつくるきっかけとなり、社会との接点をつくることになります。
このように積極的に外出をするようになると
など、意識や意欲が高まり生活にハリができます。
そうすることで、その人らしさが表れ、心身機能の向上につながります。
ADLと密接な関係にあるQOLを理解いただけたでしょうか?
介護される方が何に価値観を持っているかは、その方によって違うものなので、大切にしていることを見極めて、可能な限り尊重することを忘れずにケアしていきましょう。
いかがでしたか?
ADLを低下させないために、IADLレベルを把握し、それに対する自立サポートを行うことは、決して難しいことではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
また、身体的なサポートだけではなく、QOLを高め精神的にも満たされると、それがADL向上の一助にもなります。
優しさのつもりで行っている過剰な介護はないか、個人を尊重し、できるだけ長く自立した生活ができるように、上手にサポートしていきたいですね。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士などの専門家にご相談ください。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
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株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
(介護福祉士・介護支援専門員)
介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。
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介護保険サービスは20種類以上あり、それぞれ用途やご利用目的が違います。
「どのサービスを使ったらいいのかわからない!」という方は、
まずはどんなサービスがあなたに適しているのか簡単にチェックしてみましょう!
最大4つの質問に答えていただくだけで、おすすめの介護保険サービスを紹介します。
介護保険サービスを利用するには行政が実施する要介護認定にて
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介護保険サービスはご自宅で生活しながら使うものと、施設に移り住むものがあります。
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ご自宅でご利用できる介護サービスにはスタッフがご自宅に来てくれるものと、
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ご自宅に来てもらうと住み慣れた環境で過ごせます。
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移り住む施設の中には認知症のケアに特化しているものがあります。
施設を選ぶ際は認知症の有無をひとつの基準にしてみましょう。
日常生活を送るうえでどのくらい介護が必要かによって適している施設は変わります。
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