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などと不安に感じていませんか?
在宅介護は介護保険サービスや周囲の助けを上手に活用しながら続けることができます。ただし、介護する方にとって時間、体力、心理的な負担が大きいため、無理なく行っていくことが大切です。
そこで、この記事では
について、解説します。
この記事を読んで、在宅介護をこれから始める方も、既に始めていて不安に感じている方も、安心して在宅介護を続けましょう。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士などの専門家にご相談ください。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
ご家族の介護が必要になった場合、ご自宅で介護に関わる可能性はどなたにでもありえます。2018年版高齢社会白書によると、自分の介護が必要になった場合に自宅で介護を受けたい方の割合(※)が全体で73.5%と多くの方が在宅介護を希望しています。
※「自宅で家族中心に介護を受けたい」「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けたい」「家族に依存せずに生活ができるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」と回答した方の割合の合計
(出典:内閣府「2018年版高齢社会白書」)
では現実的に、希望どおりに在宅介護はできるのでしょうか。
下記は過去3年間に要介護状態になった家族や親族の介護をしたことがある方が、介護を行った場所を要介護度別に示したものです。要介護度が上がるにつれ、在宅介護の割合は減る傾向にはあるものの、全体では半数以上が在宅介護をしていることが分かります。
(出典:公益財団法人生命保険文化センター「2018年度 生命保険に関する全国実態調査」)
要介護度に関わらず在宅での介護経験者がいることから、在宅介護は可能なことが分かります。在宅介護に迷いや不安を感じている方は、在宅介護をしたことがある方が多い実態に安心したのではないでしょうか。
第1章で見た通り、ご家族の在宅介護を経験したことのある方は多く存在します。
在宅介護は介護される方にとって住み慣れた自宅で過ごしたり、親しい家族と一緒に過ごしたりできることは大きなメリットになります。介護する方にとっても介護が必要な家族を自分でみられるのは安心でしょう。
しかし、介護は大きな負担がかかり、「在宅介護は無理」と感じてしまうケースもあります。どのような点が負担に感じてしまうのか、主な原因をみていきましょう。
在宅介護は自分の時間が取れない、休む時間もなく1日中付きっきりになるケースがあります。
下記は要介護度別にみた、同居で主に介護する方の介護時間の状況です。要介護2では「必要なときに手をかす程度」が半数以上占めていますが、要介護3になると「ほとんど終日」と答えた方が32.5%と最も多くなっています。要介護度5になると、半数以上が「ほとんど終日」介護にあたっていることが分かります。
(出典:厚生労働省「2019 年国民生活基礎調査」)
介護時間の実態から在宅介護は一日の多くの時間を費やしていることがよく分かります。要支援から要介護になると認知症を患っている場合も出てくるため、常に危険がないか見守っている必要があり、一日中目が離せなくなります。
介護にかける時間の実態を見て、いかがでしょうか。
要介護度が低ければ、無理なく一緒に生活できそうだな、と感じた方がいるかもしれません。逆に要介護度が上がるにつれ、目が離せない状況だから難しいかもしれない、と感じた方もいるかもしれません。
自分の介護に専念できる時間と介護に掛かりそうな時間を比較し、実際の生活をイメージしておくと良いでしょう。
時間的な負担に続いて、体力的な負担を感じることがあります。介護は日常的な動作にも介助が必要になり日々体力を使います。
体力を使う介助として、
などがあげられます。
在宅介護をこれから始める方は、介助の経験がなく初めてされる方が多いでしょう。身体が思うように動かない方の介助をすると、腰や膝に負担が大きくかかり体力を消耗します。また夜間に体位変換やトイレ、おむつ交換などの介助をしていると、睡眠時間が十分に取れず、体力が十分に回復しないまま疲ればかりが蓄積していってしまうことが考えられます。
このように休む時間が取れない中、体力を消耗して疲れが取れないことは、限界を感じてしまう原因になります。
なお、介助による体力消耗を軽減したい方は、介護現場でもよく使われている「ボディメカニクス」という介護技術を身につけると良いです。気になる方は(【動画付】「ボディメカニクス」とは?介護のプロが簡単解説)をご参考ください。
時間的、体力的な負担に続いて、一体いつまでこの生活が続くのかな?と介護が始まると先が見えない心理的負担もあります。
介護期間の目安として、厚生労働省が公表している健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)と平均寿命を比較してみましょう。これによると、男性が8.84年、女性が12.35年となっています。
(出典:厚生労働省「2020年版 厚生労働白書」)
個人差はあるのであくまでも平均ですが、介護が必要な年数を参考にご自身の将来をイメージしてみましょう。
などといった具合です。いつまで続くか分からない不安はご自身の負担に感じすぎないよう、介護も生活の一部と捉えて、まずはご自身の将来の予定を軸に考え、不安を払拭してみましょう。
第2章では在宅介護が無理と感じる主な原因を見てきました。
では、負担をより少なく在宅介護を上手に続けていくには、どのようなことに気を付ければ良いでしょうか。
在宅介護を上手に続ける方法として、介護保険サービスを最大限活用することが大きなポイントです。
要介護認定を受けて作成したケアプランを基に介護保険サービスを積極的に利用しましょう。自宅で生活しながら利用できる介護保険サービスは様々あり、大きく分けて18種類もあります。生活スタイルや身体の状況によって利用してみてください。
利用できる介護サービスの種類を確認したい方は(「介護サービス26種類の利用シーンや組み合わせをわかりやすく解説!」)をご覧ください。
例えば、元から体を動かすことが好きで、他の方とコミュニケーションを取りたいという方は施設に日帰りで通い、日常生活の介護やレクリエーションなどのサービスを受けられるデイサービスを利用するのがおすすめです。
介護する方が夜間安心して過ごしたいという場合は、夜間対応型訪問介護の定期巡回を利用してみるのも良いでしょう。
介護保険サービスを利用することで、
などメリットが多くあります。
介護保険サービスを利用するのは当たり前と感じている方でも、いざ利用しようとすると、介護される方への罪悪感や自分が介護しなければという責任感が出てきて、利用しづらく感じてしまうことがあります。
しかし、長い目でみればお互いに離れる時間を持てた方が、良好な関係を保つことができ、在宅介護を続けることができると考えます。介護する方は利用できる資源を活用して、無理をしすぎないことが大切です。
前述のとおり介護保険サービスを活用していくと、介護は一人で行うものではなく分担して行うものと考えを持つことができ、気持ちに余裕を感じられのではないでしょうか。続けるコツとして、周囲に協力者をつくることがあげられます。
特に在宅介護の場合は、これまでの生活が変わり介護に時間を費やすことになるので、家族とよく話し合い介護だけではなく、それ以外の仕事や家事、育児など曜日や時間、役割分担をして一人で抱え込まないように身近な協力者をつくることが大切です。
家族が直接介護に関わらない場合でも、家族の存在は介護に疲れたときや悩みがあるときの、身近な良き相談相手になります。忙しいときでも家族とちょっとした会話を楽しみ、悩みを吐き出せる時間をもっておくのが良いです。在宅介護をしている家族がいる方は、積極的に話を聞ける時間を持てるように心掛けておくと良いですね。
また、ケアマネジャーも良き協力者になるでしょう。ケアマネジャーは介護をしていく中で困ったことがあれば解決策を提案したり、定期的に訪問し相談に乗ってくれるプロとして貴重な存在になります。気軽に会話をできる仲になっているとより安心です。日頃から色々な話をして状況を共有しておき、上手に活用していきましょう。
他にも介護する中で困ったことや不安なことがあったら相談できる窓口として「地域包括支援センター」を活用することを頭に入れておきましょう。高齢者の困りごとについて相談する内容は何でもOKで、解決に向けた方法を一緒に考えてくれます。
地域包括支援センターを活用される際は(「地域包括支援センターとは介護のよろず相談所!高齢者のお困りごとに対応」)を確認してみてください。
複数の協力者をつくっておくと、一人ではなくみんなで介護をしていくことができ、時間にも心にも余裕ができるでしょう。
仕事をしている場合は職場の理解も重要になります。仕事と介護が両立できず、ストレスが溜まって離職せざるを得なくなってしまうことは今後の生活のためにも避けたいです。
総務省の就業構造基本調査によると、15歳以上で介護をしている方は 627万6千人で、うち仕事をしている方は 54.2%と半数以上が仕事をしながら介護をしています。そのうち、介護・看護を理由に離職した者は過去1年間(2016年10月~2017年9月)で9万9千人となっています。
(出典:総務省統計局 平成29年就業構造基本調査)
半数以上が仕事をしながら介護をしているという事実に、安心した方が多いのではないでしょうか。前述同様、ここでも周囲の協力が重要なポイントになります。
職場に介護を行っていることを伝えて理解してもらい、時には上司や同僚に業務調整の協力をしてもらいましょう。病院の付き添いのために急遽休みを取ることになった場合など、事前に職場に言っておくと状況を理解してもらえ、お互いのためにも良いでしょう。
思い切って介護休暇や介護休業の制度を利用するのもおすすめです。要介護状態の家族を介護するために、いずれも労働者の権利として法律で定められています。
介護休暇や介護休業の制度については(介護休暇とは?介護休業との違い、条件、給付金の有無、注意点を解説)で紹介しています。
全てを完璧にこなそうとすると、ご自身が破綻してしまいます。自分一人で抱え込まず、頑張りすぎないようにしましょう。厚生労働省の「仕事と介護の両立モデル」は両立事例が載っていますので、参考にしてみてください。
これまで見てきたように在宅介護を上手に続けていても、生活に変化があったり、体調を崩したりと、予期せずに限界がきてしまうことがあります。限界がきてからでは対処できない可能性があります。限界がきてしまう前に在宅介護一択ではなく、施設入居も選択肢に入れておき、周辺の施設の情報収集や見学を行っておくのが良いでしょう。
(「【一覧で簡単にわかる】老人ホーム11種類の特徴や違い・費用・選び方」)では自宅から移住して入居する施設を分かりやすく紹介しています。情報収集の際にご確認ください。
施設介護を選択肢の一つとして考えられるようになることは、自分が介護しなきゃという精神的な負担が軽減できます。一方、これまで在宅介護ができていたのに、突然施設入居の話をすると、嫌がって拒否する方もいるでしょう。
そのような場合は、介護する方が疲弊してしまうと今まで通りしっかり介護ができなくなること、施設入居をするメリットを前向きに伝えて、決してネガティブな印象を与えないようにしましょう。
メリットとして
といったことがあげられます。
介護される方が、今後安心できる生活を思って真剣に考えていることが伝われば、施設入居を嫌がっていた方も気持ちが動くことがあります。早い段階から施設入居も視野に入れて動いてみましょう。
いかがでしたでしょうか。
在宅介護は家族、ケアマネジャー、職場の方の助けや介護保険サービスを有効に活用して、続けることができます。自分一人でやろうと頑張りすぎないことが重要です。もちろん助けてもらった周りの方への感謝は忘れないでくださいね。
そして施設入居は在宅介護の逃げ道ではなく、介護の選択肢の一つと考え、柔軟に検討できるようにしてください。
介護する方、介護される方、双方にとって幸せな介護生活が送れるように無理なく在宅介護を続けていきましょう。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士などの専門家にご相談ください。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
私たちは全国で介護保険サービスを展開しています。
介護保険サービスのご利用もぜひご検討ください。
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株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
(介護福祉士・介護支援専門員)
介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。
北海道
介護保険サービスは20種類以上あり、それぞれ用途やご利用目的が違います。
「どのサービスを使ったらいいのかわからない!」という方は、
まずはどんなサービスがあなたに適しているのか簡単にチェックしてみましょう!
最大4つの質問に答えていただくだけで、おすすめの介護保険サービスを紹介します。
介護保険サービスを利用するには行政が実施する要介護認定にて
要支援または要介護の判定を受けている必要があります
介護保険サービスはご自宅で生活しながら使うものと、施設に移り住むものがあります。
ライフプランに合わせて選択してください。
ご自宅でご利用できる介護サービスにはスタッフがご自宅に来てくれるものと、
介護が必要な方が通う施設があります。
ご自宅に来てもらうと住み慣れた環境で過ごせます。
施設に通うと他のご利用者との交流やレクやリハビリが充実しています。
移り住む施設の中には認知症のケアに特化しているものがあります。
施設を選ぶ際は認知症の有無をひとつの基準にしてみましょう。
日常生活を送るうえでどのくらい介護が必要かによって適している施設は変わります。
介護度を基準に選択してみましょう。