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介護が必要な親の自宅に手すりをつけるとき、いくらなのかわからないし、いろんなカタチがあって迷うし、不安になりますよね。
結論から言うと、介護用の手すりは介護保険を使って利用できるので費用はそこまでかかりません。種類は大きく分類すると3タイプで、用途によって使い分けます。
手すりと言ってもいろんな役割があり、人によって設置すべき場所は異なります。どんな効果があるのか、どんな手すりがあるのかを知ってから選ぶことで、自分の親にぴったりなものをみつけられます。
この記事では
を記載しています。
読み終えていただければ、自分の親に必要な手すりや費用感がわかり、利用に向けて前向きに検討できるようになります。ぜひ参考にしてください。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
手すりの設置を検討する前に、まずはどんな効果があるのかおさらいしましょう。
歳を重ねると足腰が弱り日常生活のなかで転倒しやすくなります。
転倒は骨折など一大事を招きかねない危険なこと。
そうならないために事前の対策として、次のような5つ効果を期待できる手すりを活用しましょう。
高齢者はちょっとした段差につまずくなど、転倒しやすいです。室内の移動でもリスクはつきません。手すりを設置し、つかまりながら動作を行うことで身体を支えることができ、転倒防止につながります。
階段からの転落は非常に危険です。自宅の階段に手すりをつけるだけでも転落の危険性を下げられます。また、手すりを握って上り下りすると足腰への負担軽減にもつながります。
衰えてくると歩行による身体の負担も大きくなっていきます。手すりを使って歩くことで負荷が分散し歩きやすくなります。介護施設では機能訓練としても手すりを使った歩行は採用されています。
トイレで便座からの立ち上がりや玄関で靴を履いた後の立ち上がりなど、いろんな立ち上がり動作は手すりをつければしやすくなります。
ベッドや布団から起き上がる動作は高齢者にとって負担です。手すりがあれば身体を起き上がらせやすくなり負担を軽減できます。
自分の親にこのようなサポートが必要だと感じる場合は手すりを検討してみましょう。過ごしにくい環境だと動きたくなくなり、身体状況も悪化しがちです。
手すりは日常動作を補助してくれるので自立した生活を営めるようになり、介護する側の負担軽減にもつながります。自宅での介護生活を考えている方は手すりの設置をお早めに。
介護用品の手すりにはいくつかタイプがあり用途が異なります。
ここではよく利用されている3つのタイプをご紹介します。
土台の板と手すりがセットになっている、床に置いて使用するタイプです。グリップを握って身体を押し上げるような使い方が一般的です。
方向転換を補助するコの字型や玄関の段差に使う手すりをふたつ備えた、両手で身体を支えるタイプもあります。
突っ張り棒と同じように、天井と床を突っ張って固定するタイプ。身体を引っ張り上げるような動作の補助で使われます。
棒と棒の間をバーでつなぐことで、歩行を補助する手すりとしても応用可能。床と天井さえあれば設置できるので、さまざまな環境に適応できるのが特徴です。
壁や柱にビスなどで手すりを打ち付けて設置します。取り付けには工事が必要ですが、簡易的な手すりより強度が安定するほか、場所によっては工事をしないと取り付けられない場合もあるので住宅改修も視野に入れましょう。
介護用の手すりは基本的には業者が状況に合わせて提案してくれるので初心者でも安心です。
この章では業者へ相談する際に役に立つ手すりの選び方を紹介します。
※利用を検討する際は、必ずケアマネジャーや福祉用具スタッフなど専門家に相談しながら進めるようにしましょう。
立ち上がり動作のときに、押して立つタイプと引いて立つタイプの方がいます。
■押して立ち上がる方向け
地面に対して水平の手すりを下に押すように立ち上がるのが合っています。
例) ・据え置きタイプ ・水平の手すり工事取り付け
■引いて立ち上がる方向け
引いて立ち上がる場合、突っ張りなど地面に対して垂直の手すりが合っています。
例) ・突っ張りタイプ ・垂直の手すり工事取り付け
■どちらの立ち上がりかたもする方向け
場合によって押しても引いても立ち上がることがある方はL字型など、水平と垂直の両方を備える手すりが合っています。
例) ・据え置きタイプ ・L字の手すりを工事取り付け
手すりの太さは握ったときに指が手のひらに軽く触れるくらいが力を入れやすいとされています。とっさのときに高齢者が体を支えることもあるのが手すりです。うまく力を入れられるように適切な太さにしてください。サンプル品や仮納品の際に実際に握って選びましょう。
身体の状態や生活の仕方によって必要な手すりは異なります。業者やケアマネジャーに自分がどのような生活をして、どんなときに負担をかんじているかをしっかり伝えましょう。
手すりは生活動作で補助が必要な以下の個所に設置します。この章ではみなさんの自宅でどのような場所に設置するのかをイメージしやすいように、利用シーンごとに事例を紹介。参考にご覧ください。
ベッドや布団の下に据え置き型の手すりを滑りこませて利用することで、寝起きの起き上がり動作を補助できます。
■タイプ:据え置きタイプ
■こんな方におすすめ:ベッドや布団からの起き上がりがつらい方
■レンタル費:月額2,000円程度/介護保険適用価格:月額200円程度
ベッド付近に突っ張り型を一本立てると、立ち上がりの補助として利用できます。
■タイプ:突っ張りタイプ
■こんな方におすすめ:ベッドや布団からの起き上がりがつらい方
■レンタル費:月額3,000円程度/介護保険適用価格:月額300円
廊下に突っ張りを何本か立てて、その間をつなぐようにすると簡単に手すりを設置できます。
■タイプ:突っ張りタイプ
■こんな方におすすめ:歩行にふらつきなど不安がある方
■レンタル費:月額6,000円程度/介護保険適用価格:月額600円
※突っ張り2本分
浴室は簡易的な手すりを利用しづらいので、工事取り付けタイプの頑丈な手すりをつける方が多いです。身体を引いたり押し上げられるL字型がおすすめ。
■タイプ:工事取り付けタイプ
■こんな方におすすめ:浴槽から立ち上がるのがつらい方
■工事費用:15,000~30,000円程度 /介護保険適用価格1,500~3,000円程度
階段に手すりを設置することで上り下りの補助はもちろん、転落のリスクも軽減できます。
■タイプ:工事取り付けタイプ
■こんな方におすすめ:階段の上り下りがつらい方
■工事費用:50,000~100,000円程度 /介護保険適用価格 5,000~10,000円程度
便座に座って立ち上がる動作は負担がかかるため、利き手の壁に手すりを設置します。つかみやすいようにL字のものを取り付けることが多いです。
■タイプ:工事取り付けタイプ
■こんな方におすすめ:便座からの立ち上がりがつらい方
■工事費用:50,000~100,000円程度 /介護保険適用価格 5,000~10,000円程度
工事不用の据え置き型の手すりも。両手の力を使って立ち上がれる仕様です。
■タイプ:据え置きタイプ
■こんな方におすすめ:歩行にふらつきなど不安がある方
■レンタル費:月額3,000円程度/介護保険適用価格:月額300円程度
玄関の段差を上がる際に両手で身体を支えられる手すりです。
■タイプ:据え置きタイプ
■こんな方におすすめ:玄関の段差につまずきそうで不安な方
■レンタル費:月額5,000円程度/介護保険適用価格:月額500円程度
※各費用については、2021年3月執筆時点の情報です。
介護用の手すりの利用を検討し始めた場合に絶対におさえておきたいのが、介護保険の利用です。これを知らないと1割負担で済むのに全額負担することになるので、注意してください。
要支援1・2か要介護1~5のいずれかの介護度を認定されていると、介護保険を適用し費用の1割負担(所得によっては2~3割負担)で手すりをレンタル・取り付け工事できます。
手すりには
があり、それぞれ別の介護保険サービスとして用意されています。
介護保険サービスには「福祉用具貸与」というものがあり、杖や車いすなど介護用品を貸し出しているのです。このなかに“工事をともなわない”手すりも含まれています。
福祉用具貸与には介護生活で必要な簡易的に取り付けできる手すりは網羅されているので、このサービスのみで十分です。
<利用条件>
「福祉用具貸与」とは:車いす、手すり、歩行器など介護生活に必要な13品目をレンタルする介護保険サービス
工事をともなう手すりの設置の場合は介護保険サービスの「住宅改修」を利用すれば保険適用できます。
原則支給額の上限は18 万円です(20万円の工事費のうち保険で18万円給付、実質負担2万円)。
住宅改修で保険適用される手すりは、階段や廊下にビスを打ち込むような工事が必要です。
<利用条件>
住宅改修に関して詳しく知りたい方はこちらの記事「【簡単解説】失敗しない介護リフォームのポイント・費用・優遇制度まで」をご覧ください。
こういった保険制度があることを知らずに、介護状態にある方が全額自己負担で手すりを設置することがあり、非常にもったいないです。この記事を読まれた方はぜひ保険や制度をうまく活用してください。
もちろん介護度が認定されていない方など、保険や制度を利用しないで手すりを全額負担でレンタル・購入することは可能です。
介護保険を適用して手すりを設置するにはしかるべき手続きが必用です。本章では福祉用具貸与の場合と住宅改修の場合の利用の流れを解説します。
①介護認定を受ける
要支援1・2、要介護1~5に認定。すでに受けている場合は不要です。
②ケアマネジャーに相談
担当のケアマネジャーに手すりが必要なことを相談。ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターに相談しましょう。
③ケアプランを作成
ケアプラン(介護計画書)に福祉用具貸与の利用を追加してもらいましょう。
④業者選定&業者訪問
手すりをレンタルする業者を選定すると、専門のスタッフが自宅を訪問調査し、どんな手すりが必要か提案してくれます。
⑤手すりの納品&適合チェック
自宅に手すりが納品され使用感を確かめます。
⑥ 利用する手すりを最終決定し業者と契約
手すりに問題がなければ業者と契約します。
⑦レンタル・サービス開始
レンタルを開始した後は定期的なメンテナンスが行われます。
①介護認定を受ける
要支援1・2、要介護1~5に認定。すでに受けている場合は不要です。
②ケアマネジャーに相談
担当のケアマネジャーに手すりが必要なことを相談。ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターに相談しましょう。
③リフォーム会社に提案・見積りをしてもらう
介護保険の住宅改修ができる業者にコンタクトをとり、実際に家を見てもらい提案してもらいましょう。
④工事内容・リフォーム会社を決定
手すりの取り付け箇所など提案内容を確認し業者を決定します。
⑤自治体に事前申請(工事開始前)
申請には、申請書、理由書、工事の見積り書、改修図面、改修前の写真など資料の提出が必要です。理由書は、ケアマネジャー、地域包括センターの職員もしくは福祉住環境コーディネーター2級以上の資格のある人が作らなければなりません。
審査には時間がかかります。少なくとも工事の2週間前までには申請を終えるようにしましょう。リフォーム会社によっては、代行してくれるところもあります。必ず着工前に申請し、審査が通ってから工事を開始してください。給付金をもらえなくなります。
⑥工事の実施
自宅に手すりを取り付けます。
⑦工事費用の支払い
償還払いの場合はいったん全額を、受領委任払いの場合は自己負担分をリフォーム業者に支払います。
⑧自治体への工事後の申請
申請書、改修後の写真、工事費の領収書など資料の提出が必要です。
⑨介護保険給付分の支給
申請が受理され承認されると、給付金が支払われます。支給のタイミングは自治体によってルールが異なります。1~2ヶ月かかることも。
手すりはこのように利用すれば介護保険を適用してお得に設置できます。
さいごにこの記事のポイントをまとめます。
利用を検討する際は、必ずケアマネジャーや福祉用具スタッフなど専門家に相談するようにしましょう。
この記事を参考にみなさんの自宅に手すりを取り付けて安全な生活を送ってください。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
私たちは介護施設「そよ風」を運営しています。
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株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
(介護福祉士・介護支援専門員)
介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。
北海道
介護保険サービスは20種類以上あり、それぞれ用途やご利用目的が違います。
「どのサービスを使ったらいいのかわからない!」という方は、
まずはどんなサービスがあなたに適しているのか簡単にチェックしてみましょう!
最大4つの質問に答えていただくだけで、おすすめの介護保険サービスを紹介します。
介護保険サービスを利用するには行政が実施する要介護認定にて
要支援または要介護の判定を受けている必要があります
介護保険サービスはご自宅で生活しながら使うものと、施設に移り住むものがあります。
ライフプランに合わせて選択してください。
ご自宅でご利用できる介護サービスにはスタッフがご自宅に来てくれるものと、
介護が必要な方が通う施設があります。
ご自宅に来てもらうと住み慣れた環境で過ごせます。
施設に通うと他のご利用者との交流やレクやリハビリが充実しています。
移り住む施設の中には認知症のケアに特化しているものがあります。
施設を選ぶ際は認知症の有無をひとつの基準にしてみましょう。
日常生活を送るうえでどのくらい介護が必要かによって適している施設は変わります。
介護度を基準に選択してみましょう。