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親に介護が必要になり「自分に面倒をみる義務があるのだろうか」と疑問に思っていませんか?
法的な観点からみると親の介護は子どもに義務があるのが実情です。
とはいえ、家庭の事情などで親の介護をする余裕がないという方もいるのではないでしょうか。
実は親の介護はあくまでも義務であって強制ではありません。
また、介護する場合でも、やり方によっては負担を軽減することができます。
この記事では
を紹介します。
読み終えていただければ、どのようにしたら親の介護の負担を軽減できるか思い描けるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
法律では図のとおり、枠で囲われた
・直系血族(ピンク)
・兄弟姉妹(ブルー)
・夫婦(グリーン)
は互いに扶養・扶助する義務があります。
介護はこの扶養・扶助の義務があてはまります。
親の介護となると、親の配偶者や兄弟は高齢だったり他界していたりするので「子ども」が義務を負うケースがほとんどです。
そのため、親の介護は子どもに義務があるのが実情なのです。
法律で定められているのは「身体的な介護の義務」ではなく、扶養や扶助と言われる「生活を助け合う義務」です。
生活を助け合うとは結局のところ、「お金の支援」です。衣食住の経費や医療費、介護費など生きていくのに最低限必要なお金を支援する義務が原則です。
例えば、親にお金がなく、誰かの助けがないと動くことができない場合、お金を支援してヘルパーさんに面倒をみてもらえば、義務を果たしていることになります。
自身が身体的な介護を行わなければならないわけではありません。
義務は強制ではなく、あくまでも自身の生活に余裕がある場合に発生します。自分と配偶者・子どもが生活していくだけで精一杯という場合、自分たちの生活を壊してまで面倒を見なければいけないわけではありません。
参考:弁護士ドットコム
余裕があるかないかの判断は社会的な地位に対してどのような生活をしているのか、資産はどのくらいあるかなどを家庭裁判所が相対的に判断します。
ひとつの判断基準として、健康で文化的な最低限度の生活に必要な費用として定められている「生活保護基準額」より、生活費が困窮している場合、余裕はないといえるでしょう。
↓生活保護基準額の算出方法はこちらをご参照ください↓
厚生労働省:「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和2年10月)」
現在の法律だと親と子の関係は切ることができないため、生涯にわたって親の介護の義務は続きます。1章で義務は強制ではないとお伝えしましたが、放っておくと次の刑事罰を受ける可能性があります。
「保護責任者遺棄致死罪」
面倒や保護する義務があるのに、何もしなかったため、対象者が死亡した場合にかけられる罪。
「保護責任者遺棄致傷罪」
面倒や保護する義務があるのに、何もしなかったため、対象者が傷害を負わせた場合にかけられる罪。
参考:<刑法第218条>
死亡した場合
「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。」
どちらも面倒をみる必要のある人に対して、面倒をみる義務のある人が「何もしなかった」場合に適用されます。
具体的には介護放棄や育児放棄などです。判決が下ると懲役3ヵ月以上5年以下の刑事罰がくだる重い罪です。
親の介護の義務は強制ではないですが、「何もしない」「しかるべき手続きをとっていない」と罪になる可能性があるのです。
具体的事案においては専門家にご相談ください。
2章でお伝えした通り親の介護を怠ると刑事罰を受ける可能性があります。
それでも親の介護を行う余裕がない場合は次の3つの対応方法があります。
親の介護の義務は自身と配偶者・子どもの生活に余裕がある場合に発生するので、余裕がなければする義務は発生しません。
生活の余裕の基準は1章で紹介した「生活扶助基準額」をご参照ください。
まずは親や自身の兄弟姉妹と相談して、自分の生活に余裕がないことを理解してもらいましょう。
余裕のあるなしは感覚的な側面があるため、意見がまとまらなくなることがあります。
その際は、家庭裁判所が収入や生活水準などをもとに審判します。
「生活に余裕がないから親の面倒をみることができない」という意思表示は、見て見ぬふりや放置ではなくなるので、罪のリスクを避けるためにも重要です。
親のお金で介護付きの老人ホームに入居してもらえば、お金と介護の負担を大幅に軽減でき、基本的に身体的な介護や面倒をみる必要はなくなります。
施設からの連絡対応などの役割はあるかもしれませんが、親の生活をすべて面倒みることに比べれば飛躍的に負担が軽くなります。
親に資産がない場合は、生活保護を受けてもらいその費用で入れる施設を探すという選択肢があります。
生活保護を受ける条件は、以下の4つです。
条件に「親族からの支援が受けられない人」とあるため、親が生活保護を受ける場合は福祉事務所などから子どもの資産について調査や支援の可否の確認が入ることがありますが、あくまでも任意の協力依頼です。
法律的に支援を強制するものではありませんので断れる可能性もあります。
ただ、社会的・倫理的には認められづらいのでオススメはしません。具体的事案においては専門家にご相談ください。
参考:弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_4/c_1055/b_688105/
https://www.bengo4.com/c_3/c_1150/n_6304/
これら3つの対応方法をいざというときに参考にしてみてくださいね。
親の介護をすることになったときは、子どもにはどのような解決策があるのでしょうか。ここでは簡単に4つの解決策を紹介します。
兄弟姉妹がいる場合は、親を介護する義務は平等にあります。
ローテーションで助け合うなど介護の負担を分散することを検討しましょう。
身体的な介護はせずお金を多めに援助する方法もあります。
「介護はやらないけれど、お金は払うよ」などと兄弟姉妹としっかり相談しましょう。
親が亡くなった際の遺産相続を、介護をしなかった分放棄するという交渉をしておくのもひとつの手です。
結婚しているならば、配偶者に手伝ってもらえるか相談しましょう。ただ、自身の親に対する介護の義務は配偶者(夫・妻)にはありません。遺産相続権もなく、配偶者にも気を使う必要があります。
もし配偶者に協力をしてもらう場合はあらかじめメリットを提示しておくことをオススメします。
例えば、親の介護に対し、アルバイトのように報酬を用意するのもいいですよね。
「特別寄与料」という親の遺産から配偶者へ「介護に携わった分」のお金を分けるという法律もあります。
親の孫、すなわち自分の子どもにも介護をする義務はあります。年齢によってはうまく協力してもらうことを検討しましょう。
学生の場合は、学校の帰りに親の家によって介護を手伝ってもらうこともできるかもしれません。
もしくは、介護を直接手伝えなくても、代りに家事をやってもらうこともできます。子どもの生活に合わせて、調整してみましょう。
兄弟姉妹も配偶者も子どももいない場合は一人で解決するしかありません。こういった場合はまずは身近に相談者を見つけることから始めましょう。
自治体の介護相談窓口や親のかかりつけ医など、身近に相談できるところは意外とあります。
ひとりの場合は介護サービスを積極的に利用することをオススメします。
最後に今回の記事の重要なポイントまとめます。
この記事を参考に無理のない親の介護の方法を検討しましょう。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
介護保険サービスの利用ご検討の際は、「そよ風」公式サイトをご覧ください。
私たちは全国で様々な介護保険サービスを展開しています。
株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
(介護福祉士・介護支援専門員)
介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。
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介護保険サービスは20種類以上あり、それぞれ用途やご利用目的が違います。
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まずはどんなサービスがあなたに適しているのか簡単にチェックしてみましょう!
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介護保険サービスを利用するには行政が実施する要介護認定にて
要支援または要介護の判定を受けている必要があります
介護保険サービスはご自宅で生活しながら使うものと、施設に移り住むものがあります。
ライフプランに合わせて選択してください。
ご自宅でご利用できる介護サービスにはスタッフがご自宅に来てくれるものと、
介護が必要な方が通う施設があります。
ご自宅に来てもらうと住み慣れた環境で過ごせます。
施設に通うと他のご利用者との交流やレクやリハビリが充実しています。
移り住む施設の中には認知症のケアに特化しているものがあります。
施設を選ぶ際は認知症の有無をひとつの基準にしてみましょう。
日常生活を送るうえでどのくらい介護が必要かによって適している施設は変わります。
介護度を基準に選択してみましょう。