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そよ風が教える介護の基本

ミンナノミライは介護施設「そよ風」を展開する株式会社SOYOKAZEが
運営しています。みんなの介護の未来を一緒に考えるためのメディアサイトです。

介護の基礎知識

これで安心!一人っ子が「親の介護」が始まる前に知っておくこと

一人っ子のあなたは、
「親に介護が必要になった時、自分はどうしたらいいのだろう」
「兄弟がいないから、自分一人で面倒をみるしかないが大丈夫だろうか」と、
不安を感じていませんか?

実は、そんな心配をする必要はありません。
なぜなら、あなたには支えてくれる協力者がたくさんいるからです。

この記事では、将来の「親の介護」を考えた時に、不安を解消するためにあなたが知っておくべきポイントについてご説明します。
読み終えれば、一人っ子のあなたは、ストレスなく親の介護に備えることができるようになるでしょう。

※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。

1.一人っ子だからこそ、まずは協力者を見つけよう

一人っ子は協力者をみつけよう

一人っ子が親の介護に直面した場合、まずは協力者を見つけるようにしましょう

特に一人っ子は、親の問題は子の自分で解決しなければならないと思いがちですが、そんなことはありません。力になってくれる協力者がいます。
自分一人しかいないと思い、悩みを抱え込んでしまうのは危険です。一人で抱え込んでしまった結果、介護に疲れて親に暴力をふるったり、うつ病になってしまったりと、悲しい結果を引き起こしてしまうこともあります。

ある調査によると、平均的な介護期間は4年7ヶ月(※1)という結果が出ています。そして、長い場合は10年以上も続くこともあります。この長い期間を一人きりで乗り越えるのはとても過酷です。そこで、いろいろな場面で協力者の手を借りましょう。

何事も一人で悩んで視野を狭めてしまうより、誰かと一緒に考えた方が良い方法が見つかるもの。介護を成功させるためには、あなたを支えてくれる協力者が必要です。

【介護期間】

※1:公益財団法人生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/平成30年度より

2.協力者に介護を頼む場合の3パターン

協力者に介護を頼む3パターン

親が遠方に住んでいたり、一人っ子の仕事が忙しかったり、一人っ子が中心となって介護できないことがあります。その場合、誰かに協力してもらって介護をすることになります。
ここでは、誰が中心となって介護するのか、想定される3パターンとそのポイントを紹介します。

2-1 親が介護する

1つめは、両親が存命の場合で、父親の介護は母親が、母親の介護は父親が行うという場合です。
厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査」(※2)によると、介護者と介護を受ける者との続柄は、同居の配偶者が全体の25.2%と最も多い結果となっています。
つまり、実は元気な親がもう一人の親の介護をするパターンが一番多いことがわかります。

【要介護者等との続柄別主な介護者の構成割合】

要介護者と介護者の構成割合_円グラフ
※2:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査」より。※熊本県を除いたものである。

【親に介護を頼む場合の注意点 】
親が介護を行う場合は、介護をしている親についても注意が必要です。
介護をしている方も高齢な場合が多いので、無理をして共倒れにならないようにしなければなりません。
子供に迷惑をかけてはいけない、弱音を吐いてはいけないと思っている人もいます。無理をしていないか、電話をしたり訪問したり、定期的に連絡を取るようにし、些細な変化に気づけるようにしておきましょう。
また、時には介護者を休ませることを意識し、ショートステイ(一時的に宿泊を伴う介護サービス)などの介護サービスの利用も検討しましょう。

2-2 一人っ子の配偶者や親戚が介護する

2つめは、自分の配偶者や親戚に介護をしてもらう場合です。
一人っ子自身では介護が不可能なとき、配偶者や親の近所に住んでいる親戚に頼る場合が当てはまります。

【配偶者や親戚に頼む場合の注意点】
介護が始まる前に、まずは納得して介護してもらえるようにきちんと話をしましょう。
法律上は、配偶者の親の介護は義務ではないですし、親戚も介護者の兄弟姉妹か直系血族以外は義務ではありません。つまり、義務ではないのにお願いすることになるのです。
介護が始まってからは、任せっぱなしは厳禁です。必ずあなた自身も介護状況を把握しておき、時間のある時には介護に参加しましょう。
そして、きちんと感謝を伝えるようにしましょう。身近な人に感謝の言葉を伝えるのは恥ずかしく感じるかもしれませんが、介護している側の気持ちに寄り添って、思いやりを持った言動を心掛けてください。

また、お金の問題はトラブルになりがちです。介護に関わるお金の管理はきちんと行いましょう。交通費やちょっとした支出も必要経費は精算し、お互い禍根の残らないように気をつけてください。

2-3 施設でプロが介護する

3つめは、親の住居を施設に移し、そこで介護をしてもらう場合です。
介護士によるプロのサービスを受けることができます。

施設といっても色々な種類があります。
特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護付有料老人ホームなど、必要な介護サービスや親の性格・症状に応じて施設を選びましょう。施設によって、費用、受けられるサービスなど、入居の条件などさまざまなので確認が必要です。

施設の種類について詳しく知りたい方はこちら「【一覧で簡単にわかる】老人ホーム11種類の特徴や違い・費用・選び方」をご覧ください。

【施設で介護を受ける場合の注意点】
この場合、自宅に住んだまま介護をするより費用が高額になることが多いです。入居時にまとまったお金が必要になる施設もあります。
比較的料金が安い特別養護老人ホームは、空きが少なく入居まで時間がかかることもあります。

気持ちの面でも配慮が必要です。
「施設で介護」というとネガティブな印象を持ってしまう方もいるようです。親が住み慣れた自宅や家族と離れるのは寂しいと思ったり、子に捨てられたように感じてしまったりすることもあるようです。
これを防ぐためには、事前にきちんと対話をして、親に納得してもらうことが肝心です。
施設へ入居してからも、自宅にいる時のように親に会いに行ったり連絡を取ったりして、いつも気にかけていることが伝わるようにしましょう。

親の世話をあきらめてしまったと後ろめたい気持ちになってしまうこともあるかもしれません。
しかし、自分を責める必要はありません。
親と子で適度な距離がある方が生活のバランスが取れて、余裕をもって相手に接することができるという人もいます。親と良好な関係を築くために必要なことだと考えてはいかがでしょうか。

3.一人っ子が自分で親を介護する場合のポイント

一人っ子が親を介護するポイント

ここまで、一人っ子以外が主に介護を担当する場合を説明してきましたが、もちろん、一人っ子自身が介護を行うことも考えられます。
その際のポイントをご紹介します。

第1章でも述べましたが、一番大切なことは一人で抱え込まないことです。
誰かに相談したり、少しでも手伝ってもらったり、いろいろな場面で協力者の手をかりるようにしましょう。
世の中には介護する人を支えるサービスがあります。公的な介護保険サービスや民間のサービスともに、様々な種類があります。こういったサービスを利用して、体力的・心理的な負荷を減らすようにしましょう。

≪サービスとそのメリットの一例≫

・訪問介護で家に来てもらいケアを受ける
→介護者の負担軽減
・デイサービスに通う
→日中の介護負担を減らすことができる、介護を受ける人も介護者も息抜きになる
・食事の宅配
→親が自分でバランスのいい食事をとれる
・定期的な訪問による見守り
→親を一人きりにしない、いざという時に安心

ほかにも、親の介護が理由で仕事を休むことのできる介護休暇や介護休業、介護休業給付金など介護する人をサポートする制度もあります。

4.安心!困った時に相談できる窓口を知っておく

困った時の相談窓口

介護が始まる時の状況は人それぞれです。親にどんな介護が必要なのか、一人っ子のあなたの生活状況(家庭・仕事・健康)はどうなのか、その時にならないとわからないことばかりです。

そこで、介護が始まる前に、頼れる協力者である相談窓口を知っておきましょう。
そうすれば、いざ介護が必要になった時には、適切なアドバイスをもらえて正しい行動がとれるはずです。そして、「いざという時どう動けばいいのかわからない」という不安から解放されます。 相談窓口も協力者ひとつなのです。
ここでは、具体的にどんな相談先があるのかをご紹介します。

4-1 地域包括支援センター

地域包括支援センターは地域の高齢者の生活に関する「総合相談窓口」のようなものです。
全国で4,000以上、市区町村に必ず一つは設置されています。

介護以外にも、医療・保健・福祉の面から地域住民の日々の暮らしを支える役割も担っています。 保健師(看護師)・社会福祉士・主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の3種類の専門家が在籍していて、この3職種がチームを組んで、高齢者の困り事に対して必要なサービスや制度を紹介してくれます。

また、「要介護にならないためのサポート」もしてくれます。 相談は無料です。ただし、紹介されたサービスを利用するときは費用がかかることもあります。

親と離れて暮らしている場合は、親の住民票がある場所の地域包括支援センターに相談しましょう。

地域包括支援センターについて詳しく知りたい方はこちら「地域包括支援センターとは介護のよろず相談所!高齢者のお困りごとに対応」をご覧ください。

≪相談内容の例≫
・歳を取ってお金の管理や契約が不安だ
・介護サービスとはどういうものなのか
・認知症について知りたい
・どこに相談したらいいのかわからない高齢者の悩み

4-2 かかりつけの病院、主治医

歳を重ねれば、誰しも身体に不調が出てくるもの。高齢になれば定期的に通院している人も多くいます。体調を把握していて、信頼関係ができているかかりつけ医は心強い味方です。

また、病院にいる医療ソーシャルワーカーが相談に乗ってくれる場合もあります。医療ソーシャルワーカーは社会福祉の立場から、患者や家族の抱える経済的・心理的・社会的な問題の解決を援助し、社会復帰促進を図ることを仕事としています。
ですから医療面以外のことでも、入院時の費用など経済的な問題や、退院後の生活の困りごとなども相談できます。

≪相談内容の例≫
・入院の際の費用について
・退院後の暮らし方や社会復帰について

ほかにも、定期的に「介護相談会」や「高齢者の介護・健康相談」などを開催している病院もあり、相談に乗ってもらうことができます。

4-3 市区町村の介護保険の担当窓口

「介護保険課」「保険福祉課」など名前は様々ですが、市区町村で介護保険を扱っている部署です。
ここでは介護保険全般に関する相談に乗ってくれる窓口があります。介護保険についての困りごとの相談に乗ってくれます。

≪相談内容の例≫
・介護保険料の納付や保険給付について
・介護度の認定について気になる点がある

4-4 民生委員

国が認定した地域密着の相談員で、ボランティアとして活動しています。
身近な相談相手として悩みに応じて様々な機関に繋いでくれます。居住地の役所に問い合わせると、連絡先を教えてくれます。親と離れて暮らしている場合や、親が家で一人になる時間が多い場合などに頼りになります。

≪相談内容の例≫
・離れて暮らしている親の継続的な見守り(訪問)
・災害時の安否確認
・親の生活の悩み相談

4-5 NPO法人やボランティアなどによる相談会

NPO法人、ボランティア団体、社会福祉法人、一般企業などで介護相談を行っている団体はたくさんあります。介護相談会のようなイベント開催や、電話で相談窓口を設置している団体もあります。
気軽に参加できる点がメリットです。

≪相談内容の例≫
・介護について(介護全般の相談会)
・高齢者向け住宅の選び方
・認知症について知りたい(認知症勉強会)
・安全で住みやすい家にリフォームしたい

5.さいごに

一人っ子の親の介護まとめ

一人っ子だから親の介護をするのは自分しかいないと、不安を感じる必要はありません。
周りの人をはじめ相談窓口のプロなど、あなたを支えてくれる協力者はたくさんいます。

一人っ子が親の介護に備えて、知っておくべきポイントは以下の2点です。
・一人っ子はひとりではない。協力者の力を借りて介護を乗り越えること。
・頼れる協力者、相談窓口はどこなのかを知っておくと、いざという時どう動けばいいのかわかるので安心。

将来のことを考えて心の準備をしておけば、不安は和らぎ、少しでも明るい気持ちで親の介護に備えることができるはずです。
あなたと親の双方が幸せになれる介護の姿を見つかりますように。

介護サービスをお探しの際は、ぜひ「そよ風」公式サイトをご覧ください。デイサービスや介護付きホームなど幅広いサービスを全国で展開しております。

※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。

私たちは様々な介護保険サービスを全国で展開しています。
公式サイトよりお気軽にご覧ください。

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この記事の監修者

株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
介護福祉士・介護支援専門員


介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。

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