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老人ホーム

サ高住の問題点は認知症高齢者の増加が原因!入居前後にできる対策は

老人ホームなど高齢者向けの施設で起こった事故について、テレビや雑誌などで目にしたことで、
「サ高住に入居したいと思っているが、何か問題点はないのだろうか」
と不安に思っている方はいらっしゃいませんか?

サ高住は高齢者が安心して居住しつづけるための住まいではありますが、有料老人ホームなどの他の高齢者向け施設と比較して義務付けられた規制が少ないため、当初想定していなかったサ高住ならではの問題点が発生しているようです。

しかし高齢者のための安心を備えている住まいであることには違いありませんので、問題点を把握しそれに対してできる限りの対策をすることで、問題点を解決できます。

そこでこの記事では、

  • サ高住の問題点とは
  • 問題点を解決するには(入居前・入居後)

についてご説明いたします。
問題点について把握、解決したうえで入居することで、心から安心してサ高住に住むことができるようになるでしょう。

この記事を読んでサ高住の入居へ向けて前向きに検討したい!となった方は、ぜひ私たちが運営する「そよ風」公式サイトをあわせてご覧ください。

※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。

1.サ高住とは高齢者が安心して居住しつづけるための住まい

サ高住 問題点 サ高住とは


サ高住とは高齢者向けの賃貸住宅のことで、

  • ハード面:バリアフリー構造 / 一定の面積、設備
  • ソフト面:「安否確認」「生活相談(支援)」の2つのサービス

といった面を備えた住居となり、高齢者が安心して居住しつづけるための住まいといえます。

同じ高齢者向けの住まいとして有料老人ホームなどがありますが、
・入居金がなく入居時のハードルが低い
・自立の方でも入居可能
・自宅と変わらない自由な生活ができる
といった点から、サ高住への住み替えを検討する方が増えているようです。

サ高住についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?入居条件・費用など」をチェックしてください。

2.認知症高齢者増加により引き起こされる問題点

サ高住 問題点 認知症高齢者増加


サ高住はここ数年で登録戸数を増やし、ユーザーニーズの高い高齢者向けのお住まいとなっています。

その理由は、

  • 入居者側にとっては入居条件が少なく、入居費用が比較的安価なため入りやすい
  • 運営側にとっては登録基準が少なく、国から建設の補助金が出るため開設しやすい

というそれぞれのメリットがあるためです。

しかしそんなサ高住は、今大きな問題に直面しています。
それは、認知症高齢者の増加です。

平成29年版高齢社会白書によると、認知症高齢者数は年々右肩上がりで、65歳以上の高齢者のうち認知症になる割合が2012年に約7人に1人だったのが、2025年には約5人に1人になるという推計もあるようです。

サ高住 問題点 認知症患者数

ただし認知症高齢者の中には自由に動ける方も多く、要介護度の低い元気な高齢者がたくさんいます。要介護度が低く元気であるということそのものはよいことではありますが、そのことがサ高住の問題でもあるのです。

認知症高齢者は高齢者向け施設に入居したいとなった場合、
・認知症高齢者向けのグループホーム
・介護サービスがついている有料老人ホーム
などの選択肢から選びますが、認知症高齢者数の増加により希望をしても入居ができず、サ高住に入居をせざるを得ないという認知症高齢者が増えているようです。

グループホームは小規模ケアという特徴もあることから、他の高齢者向けの施設と比べてそもそも入居できる人数が限られています。また認知症高齢者の中には、自由に動ける方も多く介護度が低いために、有料老人ホームの入居条件を満たせず入居を検討すること自体できないという状況にも陥っているようです。

そしてやむを得ずサ高住に入居をする認知症高齢者は、
・介護サービスや認知症ケアが備わっていないサ高住で、満足なサービスが受けられない
・認知症でない入居者は、多くの認知症高齢者と生活を共にする可能性が高まる
というさらなる問題を引き起こしています。

入居条件さえ満たしていれば運営側は受けいれせざるを得ないのですが、そもそも主に自立の方を対象としたお住まいのため、認知症高齢者に対するケア体制や設備が十分に備わっていません。

しかし元々規制が少なく費用が安価なため、設備や体制強化をしたくても思うようにできない部分があります。そうなると現状いるスタッフへの負担が増え、最悪の場合何かしらの事故につながってしまうという状況も起こりうるのです。

体制強化のために工夫するサ高住が増えている

入居者の状態とサービスとの不一致が起きてしまっていることを現実として受け止め、どうにかこの状況を改善させることはできないのかと、工夫をし始めているサ高住も増えてきています。

たとえば、
・入居者側:介護サービスは受けたいけど、他の施設に入れないからサ高住に入る
・運営側:体制強化をするのに人手が必要で、収入を増やす必要がある
といった点から、リハビリスペースを充実させてその分月額費用を高くするなど、入居者側・運営側双方の問題点を同時に解決できるような工夫などです。

これらの工夫は決められた規制が少ないからこそできることでもあり、他の施設との差別化がしにくいサ高住にとって、各施設の特徴にもなります。

ただし有料老人ホームや特別養護老人ホームなどと比較すると、人手が少ないという部分は変わりませんので、あくまで複数のサ高住の中から候補を絞るためのポイントとして認識しておきましょう。

3.問題点は工夫次第で解決することができる

サ高住 問題点 解決策


前章にてサ高住の問題点について説明しましたが、その問題点に対して何もできないわけではありません。

この章ではだれでも簡単にできる対策について、入居前・入居後とわけてご紹介していきます。

3-1 入居前にできる3つの対策

入居前は入居後よりも、時間的にも気持ち的にも余裕がありますので、できる対策はしっかりしておくことが重要です。

①希望条件を見直して、入居できるグループホーム候補を探す
認知症高齢者の場合、認知症ケアが備わっているグループホームへの入居をオススメします。

しかし前述の通り、認知症高齢者の増加によってグループホームへの入居を諦めている方もいらっしゃると思います。
そこでできる対策が、希望条件を見直すということです。

具体的には、

  • 費用面を見直して払える費用を増やすことで、グループホームへの入居を再検討できる
  • 立地面を見直して住民票をうつすことで、グループホームの選択肢が増える

などが挙げられます。

費用については、初期費用などの高い部分につい目がいきがちですが、サ高住に入居して受けたいサービスが受けられず別途介護サービスを契約するとなると、結果想定していた費用より高くなる可能性があります。目に見えている費用だけでなく、想定される費用を含めたうえで計算をしなおすと、候補から外れていたグループホームへの入居が再検討できるかもしれません。

またグループホームは地域密着サービスのため、施設と同じ地域に住民票がある方が対象になりますが、仮に住民票をうつすことでグループホームの選択肢が増えるのであれば、立地面を見直してみてもよいでしょう。(「一定期間新しい地域に住む必要がある」などルールを定めている施設がありますので、事前に確認をしましょう。)

②費用が高くても、サービスや設備が充実しているサ高住を選ぶ
条件を見直した結果、それでもサ高住に入居しなければならないとなった場合、費用が高くてもサービスや設備が充実しているサ高住を選ぶようにしましょう。

1つ目の条件の話と重なりますが、「費用が安いから」「施設が新しいから」という理由だけで選ぶのではなく、少し費用が高くなったとしても、人員体制や設備が充実しているサ高住を選ぶことをオススメします。

具体的には、

  • 人員体制を増やしているサ高住:何かあった時に安心
  • リハビリサービスを充実しているサ高住:お身体の状態改善につながる

などが挙げられます。元々サ高住は施設ごとの特徴があまりありませんでしたが、最近では決まりにはなくても、施設の特徴として人員体制や設備を売り出しているサ高住もあります。

また複数施設で悩んだ時の絞るポイントにもなりますので、実際に見学して比較してみるようにしましょう。

③もしもの時の選択肢を考えておく
サ高住への入居を決定した後でも、できる対策があります。
それはもしもの時の選択肢を考えるということです。

具体的には、

  • もしも介護が今よりも必要になってしまったら
  • もしも認知症になってしまったら、ひどくなってしまったら

などもしもの時について考え、さらなる住み替えが発生するかもしれないと想定し、近くに入れるグループホームや介護サービスがついている有料老人ホームなどを探しておくと安心です。

一生サ高住で住み続ける方もいらっしゃいますが、お身体の状態に変化があらわれた場合は、住み続けられない場合もでてきます。そうなった時に、安心して住むためのその後の選択肢を考えておくことが大切です。

入居時のハードルが低いからこそ、その後の選択肢が発生する可能性があることを念頭に置いておきましょう。

3-2 入居後にできる2つの対策

入居前と比べてできることに限りはありますが、入居後でもできる対策があります。

①サ高住のスタッフのみに頼るのではなく、介護サービスをうまく組み合わせる
前述している通りサ高住のサービスや設備はあくまで自立した高齢者向けのため、不足してくる部分があると思います。ただし不足を補うことに関して全てサ高住のスタッフに任せるのではなく、介護サービスをうまく組み合わせることで補うことができないか、ケアマネジャーに相談のうえ検討してみましょう。

例えば、

  • スタッフが手薄になる夜間に訪問介護を依頼する
  • 介護ベッドや杖などの福祉用具をレンタルし、なるべく自分だけで生活できるようにする

など複数の介護サービスを組み合わせることで、サ高住のスタッフに頼りすぎることなく生活の安全を確保することができます。

②家族の協力も大切なポイント
介護サービスをうまく組み合わせることで、サービスや設備の部分は補えますが、介護サービスはもちろん使えば使った分だけ費用がかかりますので、家族の協力も大切なポイントとなってきます。

例えば、

  • リハビリを兼ねて一緒に散歩にいく
  • 温めて食べれるような食事をもっていく

など常に行動を一緒にしなくても、ちょっとしたことでサ高住のスタッフに頼ることなく、また介護サービスを使うことなく過ごすことが可能です。

コミュニケーションをとるという意味でも、体調の変化に気づくという意味でも、定期的に家族と過ごす時間を作ることが大切です。

<参考一覧>
内閣府 平成29年版高齢社会白書

まとめ

サ高住 問題点 まとめ


いかがでしたでしょうか。

本来介護度が低いことはよいことですが、認知症高齢者が自由に動けることによってサ高住の問題点が引き起こされてしまっていることがご理解いただけたでしょうか。

100%解決することは難しかったとしても、問題点を減らすことはみなさんの工夫次第でできます。

住み替えで次の人生を送る場所選びは慎重に、何よりも入居者本人も家族も安心して住むことができるお住まいを探すようにしましょう。

サ高住選びの際には、「そよ風」公式サイトをぜひご利用ください。施設検索やサ高住についての説明など、様々なコンテンツをご用意しています。

※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。

私たちはサ高住をはじめとする入居系サービスを全国で展開しています。
公式サイトよりお気軽に施設検索してみてください。

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この記事の監修者

株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
介護福祉士・介護支援専門員


介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。

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