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同居の家族が介護が必要になって、家をリフォームした方がいいのかも…と感じていませんか。
しかし、介護リフォームの専門家でもない限り、どこからどう手を付けたらいいのかわかりませんよね。自分一人の判断で進めると、思わぬ失敗をしてしまうことがあります。
そこで、この記事では、
・高齢者が住みやすい家かどうかのチェック方法
・リフォーム場所の選び方
・場所別の具体的なリフォーム9ポイント
・リフォームについて相談すべき人
・お得に介護リフォームをする方法――についてお伝えします。
読み終えていただければ、家族が快適に暮らすために、無駄なくどうリフォームをするべきかが分かるようになると思います。ぜひ参考にしてください。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
あなたの家は、高齢者にとって住みやすい家でしょうか。
まずは、あなたの家のバリアフリー度をチェックしてみましょう。下のリストにチェックが多いと、高齢者にとって暮らしにくい家である可能性が高いです。
第1章のリストでチェックがついた項目があっても、一度にすべてをリフォームする必要はありません。優先順位をつけて、必要な場所からリフォームを行いましょう。
まずは、いま具体的に困っている場所のリフォームを検討しましょう。リフォーム場所は介護を受ける方の生活スタイルや身体の状態に大きく影響されます。
しかし、リフォームしたい場所が多くて決められないなど、迷ってしまうこともあります。
その時は「使用頻度の高い場所」「危険の多い場所」を優先してリフォームしてはいかがでしょうか。その観点で考えると、優先度の高い場所はトイレと浴室が挙げられます。
・トイレ
毎日数回使うので利用頻度が高く、時間が予定できないので、訪問介護を使っても毎回誰かが手をかせるとは限りません。また、排泄はできるだけ自分一人で行いたいと希望する人が多いです。
・浴室
立ち座りなど動きが大きいうえに濡れた場所は転倒しやすく、危険度が高いと言えます。裸なので怪我も大きくなる可能性があります。
第1章では、あなたの家がどれくらいバリアフリーに対応しているかをチェックしました。では具体的にはどうリフォームすればいいのでしょうか。この章ではそれぞれの場所について、リフォームのポイントをご説明します。
※費用の目安についてはあくまで参考数値です。正確な金額はリフォーム会社に見積りをとってご確認ください。
※費用目安は2020年3月時点のものです。
【改修ポイント】
・滑りにくい床材へ変更
滑りやすい床材:畳、タイル(トイレや浴室に多い)
滑りにくい床材:タイルカーペット、コルク、ゴム素材など。
さらに、転倒時のけがのリスクを考慮すると、衝撃吸収性の高い素材であると安心です。
※滑りにくさが分かるように防滑性(ぼうかつせい)を数値化した、床材を販売しているメーカーもあります。
【費用の目安】
フローリングの部屋にカーペットを重ね張り(6畳)…5~20万円程度
コルクマット重ね張り(6畳)…9万円程度~
床をはがして新しく張り直す工事になると費用が上がります。
元気なうちは気にならないようなちょっとした段差も、足を悪くすると急に大きな壁に感じます。つまずくと転倒の危険が高まるので、段差を緩和しましょう。
【改修ポイント】
・段差をなくす(5mm以内)
※国土交通省「高齢者が居住する住居の設計にかかる指針」では、車いすの利用に関係なく、床の段差は5mm以内であることが基本レベルとされている。
・段差の高さに合わせた対策をとる
玄関のあがり框などの高い段差は底上げをする
扉の敷居などの低い段差はスロープをつける
・車いすを利用する場合はさらに細かな注意が必要
【費用の目安】
スロープ1箇所…数千円程度~
床を重ねて貼る工事(6畳)…10万円程度~
【改修ポイント】
・引き戸に変更する(開ける力が少なくてすむ)。
開き戸=ドアノブを持って引いて開けるタイプは予想以上に力がいるため高齢者には不向き。
握って回す丸いドアノブは握力が低下するため使いづらい。
・出入口は750㎜以上の幅を取る
※国土交通省「高齢者が居住する住居の設計にかかる指針」では、日常生活空間内の出入口は750mm以上、浴室の出入口は600㎜以上であることが基本レベルとされている。(バルコニー出入口、勝手口、玄関を除く)
【費用の目安】
開き戸から引き戸に変更…5~10万円程度
【改修ポイント】
・トイレは洋式便器に変更する(和式便器はしゃがむ時に足腰に負担がかかるため)
・手すりを設置する(立ち座りの際に身体を支えるため)
・床を滑りにくい床材に変更する(タイルなどは滑りやすいため)※参考3-1床のポイント
・段差をなくす(ドアの敷居など)※参考3-2段差のポイント
・扉を引き戸にする。※参考3-3扉のポイント
・便器の前、横にそれぞれ1m以上のスペースがあるのが理想
(介助者が一緒に入ったり、車いす利用になった時に車いすが通ったりする幅を想定。)
例えば脱衣所と共有スペースにする方法もある。
【費用の目安】
便器の変更…20~55万円程度
手すりの設置…2~6万円程度
床の貼り替え…2~10万円程度
段差をなくす…数千~10万円程度
開き戸から引き戸へ変更…5~10万円程度
スペース拡張…10~30万円程度
浴室では毎年多くの事故が発生しています。浴室でのトラブルは、死亡事故につながる場合もあるので、注意が必要です。転倒防止するための対策を取りましょう。
【改修ポイント】
・浴槽を浅いものに変更する。(湯船に入る際に足を大きく上げなくてすむため)
・手すりを設置する(立ち座りの際に身体を支えられるようにするため)
・床を滑りにくい床材に変更する(タイルなどは滑りやすいため)※参考3-1床のポイント
・脱衣所との温度差を小さくする。暖房器具の導入や冷えにくい設計にする。
(寒暖差でヒートショックを起こし、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまうことがあるため)
【費用の目安】
・浴槽を半埋め込みに変更…35~80万円程度
・手すりの設置…3~5万円程度
・床の貼り替え…5~20万円程度
【改修ポイント】
・手すりの設置(転倒や落下の防止のため)
室内だけでなく、数段の室外の階段でも手すりがあると便利。
※2000年の建築基準法改正で、階段への手すり設置が義務化されたが、2000年以前に建てられた家では設置義務がないため、手すりがない階段もある。(ただし、改定後の建築基準法では下の床から1m以内は手すり設置の義務はない)
・踏面(足を乗せる部分)は滑りにくい素材に変更する。※参考3-1床のポイント
・踏面(足を乗せる部分)は奥行が195㎜以上にする。(足をしっかり乗せられるようにするため)
※国土交通省「高齢者が居住する住居の設計にかかる指針」では、踏面が195㎜以上であることが基本レベルとされている。
・自力での昇降が難しい場合、昇降機の設置
・勾配を緩やかにする
【費用の目安】
・手すりの設置…5~20万円程度
・踏面をコルクやカーペットに貼り替え…8~20万円程度
・昇降機の設置…50万円程度~
【改修ポイント】
・手すりを設置する(歩行の補助、転倒の防止のため)
・床を滑りにくい床材へ変更する。※参考3-1床のポイント
・段差をなくす(ドアの敷居など)※参考3-2段差のポイント
・横幅を広くする。(介護者が並んで歩いたり、車いすが通行できるようにするため)
車いすの場合は最低850㎜(柱の箇所800㎜)ほどのあるといいとされる。900㎜はあるのが理想的。
※国土交通省「高齢者が居住する住居の設計にかかる指針」では、日常生活空間内の通路の幅は780mm以上(柱の箇所は750㎜)であることが基本レベルとされている。
【費用の目安】
・手すりの設置…3~20万円程度
・床をカーペットに変更(10㎡)…5~20万円程度
・横幅の拡張…30~150万円程度
【改修ポイント】
・必要な範囲をしっかりと照らすように照明を増やす(転倒を防止するため)
歳とともに視覚機能が低下し、視野が狭まる。20歳の人に比べ、60歳の人は約3.2倍の明るさが必要だと言われている。
・節約や面倒がって電気をつけない人には、自動でスイッチが入る感知式照明を設置する。
【費用のめやす】
・感知式スイッチへの取り替え…1つ1.5万円程度~
いざという時に備えて、通報装置を設置していると安心です。
【改修ポイント】
・通報装置を設置する
一人きりになる場所(トイレ、浴室、個室など)では、同居でも何かあった際に気づくのに時間がかかってしまうことがある。なるべく携帯電話を身につけるようにするのも有効。
【費用の目安】
屋内での呼び出しベル(送信機のスイッチを押すと受信機が音や光で反応する)…2000円程度~
ホームセキュリティ会社の通報装置…月々3500円程度~※初期費用別途
※自治体によっては、独居の高齢者に無料で貸与しているところもある
「あと数センチ手すりの位置が低ければ、もっと便利だったのに…」
「手すりを付けたが直径が太すぎて、高齢者にはうまく握れず使えない…」
「いつか車いすになったら必要だと思って階段昇降機をつけたが、結局一度も使用しなかった…」
残念ながら、リフォームに失敗してしまうこともあるようです。
専門知識がないとわからないこともありますよね。そんな時は介護のプロであるケアマネジャーに相談しましょう。
ケアマネジャーは介護者の状況を把握しており、ケアプランに合わせた的確なアドバイスをしてもらえます。また、介護の現実を知っているので、どこが不便でどんなリフォームが有効だったかなど、実例をたくさん知っているという強みもあります。
担当のケアマネジャーか、担当がいない場合は地域包括支援センターのスタッフに相談してみましょう。相談料は無料です。
無理にリフォームをしなくても、福祉用具のレンタル・購入で補えたり、生活スタイルを変えることで危険を回避できることがあるかもしれません。
例えば階段が危険な場合、物干しを2階のベランダから1階の庭に移す、寝室の場所を移すなど、高齢者が2階に行かずに生活できるようにするというような工夫でカバーできることがあるからです。
ほかにも「福祉住環境コーディネーター」の資格を持っている人も、専門的な知識があるので相談相手におすすめです。この資格は、高齢者や障がい者が自立して生活できる住環境を提案するアドバイザーの資格です。
福祉用具会社に勤務している人やケアマネジャーなど医療・介護関係の仕事についている人や建設業勤務の人に、この資格を持っている人が多いようです。リフォームを依頼する業者にこの資格を持っている人がいると安心ですね。
※ケアマネジャーについて詳しく知りたい方はこちら「ケアマネジャー(介護支援専門員)とは高齢者の強い味方!役割・探し方など」をご覧ください。
介護リフォームをするにあたっては無駄なお金がかからないようにしたいですよね。
実は条件を満たせば、住宅のリフォームに関する税金が控除されたり給付金をもらえたりする可能性があります。
ここでは知っておくと得をする優遇制度をお伝えします。お得にリフォームするために、工事を発注する前にぜひ確認しておきましょう。
高齢者のためのリフォーム費用は、介護保険制度を使うと給付金を受け取れる可能性があります。
介護保険を使ったリフォームは、介護保険上では「住宅改修」と呼びます。
「住宅改修」給付金の対象工事は、最大費用が20万円までで、その金額から個人負担分を除いた額が支給されます。
つまり、1割負担の場合は最大で18万円、2割負担の場合は最大で16万円、3割負担の場合は最大で14万円が給付金となります。これは要介護度に関わらず一律の金額です。
介護保険制度から給付金がでるのは、下記の改修内容に限られます。確認しておきましょう。
・段差の解消(スロープ設置、床のかさ上げなど)
・扉の取替え(開き戸から引き戸・折り戸などへの変更)
・トイレの便器の取替え(和式便器から洋式便器への取替えなど)
・手すりの取り付け
・床材を滑りにくくする変更(移動の円滑化および滑り止め)
・以上の項目に関わる工事も対象(例:手すりを取り付ける壁の補強など)
・要支援1、2、要介護1~5に認定されていること。
・介護対象者が住民登録している家であること。
・改修工事であること。(新築や改築(建て直し)の場合は支給されない)
・1人につき改修費用20万円までであること。(分割して工事をすることも可能)
※ただし、転居した場合や「介護の必要の程度」が3段階以上重くなった場合は、新たに20万円までの改修費用が対象です。「介護の必要の程度」とは介護度ではないので注意してください。(下表参照)
・事前に自治体に申請していること。
この補助金を受けるには、工事を行う前と後の2回、自治体への申請を行わなければなりません。必ず、計画時に担当のケアマネジャーか、専門知識のあるリフォーム会社に相談しましょう。
「住宅改修」の給付金を受けるためには、工事着工前と後の2回の申請が必要です。申請のタイミングを間違えると支給されないこともあるので注意してください。
給付金の支給方法には2種類の方法があります。どの方法が可能か、事前に改修する住宅のある自治体に確認しましょう。リフォーム業者の選定に影響したり、申請時の提出物が異なったりすることがあります。
償還払い …一度全額を支払い、後で給付金を受け取る方法。
受領委任払い…利用者は自己負担分のみを支払い、給付金が業者に直接支払われる方法。自治体に登録している業者でないと対応できないなど、条件があります。
1.介護認定を受ける
すでに受けている場合は不要です。
2.ケアマネジャーに相談
担当のケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターに相談しましょう。
3.リフォーム会社に提案・見積りをしてもらう
必ず、実際に家を見てもらい提案をしてもらいましょう。
4.工事内容・リフォーム会社を決定
金額だけでなく、介護リフォームの実績や提案力も考慮しましょう。
5.自治体に事前申請(工事開始前)
申請には、申請書、理由書、工事の見積り書、改修図面、改修前の写真など資料の提出が必要です。
理由書は、ケアマネジャー、地域包括センターの職員もしくは福祉住環境コーディネーター2級以上
の資格のある人が作らなければなりません。
審査には時間がかかります。少なくとも工事の2週間前までには申請を終えるようにしましょう。
リフォーム会社によっては、代行してくれるところもあります。
必ず着工前に申請し、審査が通ってから工事を開始してください。給付金をもらえなくなります。
6.工事の実施
7.工事の完了
8.工事費用の支払い
償還払いの場合はいったん全額を、受領委任払いの場合は自己負担分をリフォーム業者に支払います。
9.自治体への工事後の申請
申請書、改修後の写真、工事費の領収書など資料の提出が必要です。
10.介護保険給付分の支給
申請が受理され承認されると、給付金が支払われます。支給のタイミングは自治体によってルールが異なります。1~2ヶ月かかることもあります。
自治体の中には介護保険制度とは別に、高齢者向けのリフォームに助成金制度を設けているところもあります。条件や助成内容は自治体ごとに異なります。「住宅リフォームに関する支援制度」で検索したり、リフォームする家のある自治体に相談したりすることをおすすめします。
ほかにも、バリアフリー改修の所得税減税や、三世代同居に対応した改修工事の場合、所得税から控除する制度(同居対応改修の所得税減税)など期間限定の優遇制度もあります。※どちらも居住開始日が2021年12月31日までであること。2019年12月現在
いかがでしたか?
高齢者が住みやすい家にするにはどう変えればいいか、イメージできたでしょうか。住みやすい家とはきれいで便利なだけでなく、事故やけがを予防して安全に生活できる家でもあります。
あなたとあなたの大切な人が、住み慣れた家で長く快適な生活をおくるために、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
私たちは介護施設「そよ風」を運営しています。
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株式会社SOYOKAZE
事業統括本部部長(拠点サポート部署)
渡邉 祐貴
(介護福祉士・介護支援専門員)
介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現在の役職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。
北海道
介護保険サービスは20種類以上あり、それぞれ用途やご利用目的が違います。
「どのサービスを使ったらいいのかわからない!」という方は、
まずはどんなサービスがあなたに適しているのか簡単にチェックしてみましょう!
最大4つの質問に答えていただくだけで、おすすめの介護保険サービスを紹介します。
介護保険サービスを利用するには行政が実施する要介護認定にて
要支援または要介護の判定を受けている必要があります
介護保険サービスはご自宅で生活しながら使うものと、施設に移り住むものがあります。
ライフプランに合わせて選択してください。
ご自宅でご利用できる介護サービスにはスタッフがご自宅に来てくれるものと、
介護が必要な方が通う施設があります。
ご自宅に来てもらうと住み慣れた環境で過ごせます。
施設に通うと他のご利用者との交流やレクやリハビリが充実しています。
移り住む施設の中には認知症のケアに特化しているものがあります。
施設を選ぶ際は認知症の有無をひとつの基準にしてみましょう。
日常生活を送るうえでどのくらい介護が必要かによって適している施設は変わります。
介護度を基準に選択してみましょう。